10/07/28 水曜日14:35:44

ー サブプライムローンを証券化する、さらにはそれにAIGに保険をかけてもらう。
そして一般の何も知らない投資家に売る。ー 

リーマンショックはそしてうまれたと言っても過言でもない。ふたを開けてみるAIGが危ない、これにはオバマもほっておけないから何千億という資金を援助します。景気の底上げどころかこれ以上の失業者を増やせないからウォールストリートの金融関係者に資金がつぎ込まれていく。ウォールストリートが起こした金融危機を政府が必死になってサポートを入れる、そうかと思うとこんな中でウォールストリートがまた儲けだす。そうすると、厚かましくも6ケタ以上のボーナスをもらって当然だという顔をしている。一体どこまで厚かましいことか、あるいはグリーデーであることか。

そんなグリーデーなウォールストリートを規制するために新しい規制法案ができた。さてうまく運営できるだろうか。しかし金融工学にたけた連中だ、きっと新しい証券を生み出すことだろう。先日、スタンフード大学のダニエル沖本教授の講演会で“先生、このような金融危機は又起こりますかね”。と尋ねたら、”また起こるね”と悲しい顔でおっしゃった。ウォールストリートのグリーデーさはいつまでも消えないのだとおっしゃっているようです。

我々エンジェルインベストしている連中は、アントレプレナーの意気に感じてシードマネを投資する。そしてプロトタイプができたころにベンチャーキャピタルから多めの資金を投資してもらう。

さてと、スタートアップというものは、晴天スケジュールで、モノが出たためしはまずない。そして又数年がたってからベンチャーキャピタルに再度投資をお願いに行きます。このころになると数億の金が必要になります。当初の資金集めを、「シリーズA」と言います。そして次々集めて行くときに、B, C. Dとつけていきます。最近ではPまで、何と17回も投資を受けている例があります。それだけ自立するまでに資金がたくさんいるわけです。ですからベンチャー起業の成功率は1%にも満たないのです。

Down Round
さて、アメリカのベンチャーキャピタルの金融工学は次のように展開されます。資金集めの3回目ぐらい、多分このころだと5億円ぐらいが必要になります。このころになると、サンプルもまだ未だお客の見通しもはきりしていません。ですからベンチャーキャピタルは会社の評価を前回よりも低く見積もってきます。2回目の会社の評価が15億円だったとすると、今回のバリューを8億円と提案してきます。従来投資してきたベンチャーキャピタルも逃げ腰になり、結局今回の投資をするベンチャーキャピタルが主導しますから、会社側は背に腹は代えられず、その提案をのみます。そうでないと会社がつぶれますので仕方なくなります。この時、新しい投資するベンチャーキャピタルが次の様な提案をします。今までの投資家に対して今回集める資金をその持ち株比率の分担を要求します。もしそれにおおじない投資家に対しては、その持ち株を1/10 に減らすような提案をします。又この時、従業員の持ち株を1/20 に減らします。それはここまで来て商品ができてないから、創業者の責任を取ってもらう意味があります。さらに社長交代の伏線があります。

この方式をPay per Play (お金を払った人だけがゲームを継続できる)と言います。

最近遭遇した例では従来の投資家分を1/10 にして、さらに従業員の持ち株を1/100にした例がありました。これは社長の株を減らす意味で結局社長を辞めさせる手立てとなっていました。私も創業者の一人だったので社長と二人で会社を辞める羽目になりました。これが最後に金のあるベンチャーキャピタルが、最後に儲ける仕掛けとなっています。ただし、スタートアップの会社は優秀なエンジニアが必要なので、このような処置をしても、あとで従業員のオプションを20%に追加しています。即ち創業者の株をゼロにしたから、その分を新しく従業員の株を20%まであげれるのです。結局創業者社長の責任と追い出しのための処置にもなっています。

我々みたいなエンジェル投資家はこの金を持っているベンチャーが最後に勝つ方程式のためにたびたびこのような痛い目に会っています。Tieの組織の中には我々みたいなエンジェル投資がいっぱいます。ですから最近のエンジェル投資家はいささか嫌気がさして、シードマネーを出したがりません。グリーデーな金融の世界はウォールストリートだけでなく起業を育てる役目のベンチャーキャピタルがこれでは将来もしかして大きな産業になるかもしれない大事な芽を摘んでしまいますね。

日本の場合は金の価値はあまり変わりません。勿論、Valueが半分ぐらいになることはありますが。アメリカのベンチャーキャピタルがみたいに1/10 とか1/100とかにするなどということはありません。$1.00のお金は時間が過ぎても$1.00であってほしいものです。今回の金融危機も、$1.00 の価値が時間と共に下がっていったために起こったのですね。お金は平等で民主主義であるべきです。時々、日本の会社に投資したいアメリカのベンチャーキャピタリストが、この論理を推し進めてくるので大変こまります。私は$1.00の価値が時間がたっても$1.00だと反論していますが。彼等はDown Roundを認めないと投資してきません。このグリーデイさには困ったものです。ウォールストリートがまた、金融危機を起こす可能性があるのはここから来ています。アメリカには孔子、孟子の思想はないですからね。

だからダニエル沖本先生がこの次の金融危機を懸念するわけですよね。

シリコンバレイから。