縁あって福島智さんに東大教授の児玉先生宅でおあいする機会がありました。「盲ろう」の人に会う、一体どんな話をすればいいのだろうかと心配しながら児玉せん先生に聞いた。先生曰く普通に話していいよとのこと、先生は盲ろうの人の中にもいい人と悪い人がいるよね。などと話しているそうです。それならなんでも話していいのだと気が落ち着いた。
目が見えないことを想像してみる、映像の世界から閉ざされている、耳が聞こえない、静寂の中にいる、想像して見ても、大変な世界だ、その中に生きるとは、どんなものだろうか、とても恐ろしい世界に思われる、いつも孤独が襲ってくるような。

福島先生の声はちゃんと普通の声でいらっしゃる、18歳まで話されていたのでそれが持続されているらしい。それが18歳で耳が聞こえなくなって盲ろう者になった。どうも我々は映像で人のイメジをつくっているらしい。あるいは事象を映像で記憶しているらしい。お会いしてまず聞いて見た。先生は初めてあった人をどんな感じで記憶にとどめていますか。と質問してら返事がなかた。また2回目にあったらどんな人だったか覚えていますか。と聞いたらこれにも答えがなかった。言葉がすべての世界なのでイメイジの様子がないかも知りません。そのうち指点字で翻訳してくださる奥様ともう一人の通訳を通して勝手にいろんな話が飛び交って行きました。そして誰かが冗談をいうと一緒にみんなで大声で笑いました。

児玉先生の奥様の手料理をいただきまた寿司もご馳走になりました。福島先生は健啖でいらして児玉先生の奥様の手料理をおいしい美味しとたくさん召し上がりました。先生は指点字での会話に神経を集中されてすごいエンゲルギーを使われているような気がします。通訳されている奥様もすごく神経を集中されていました数名の話を全部通訳されているようです、ですから数分で通訳を交代していました。

黒沢明監督の往年の名画、影武者、乱、などで名脇役をつとめられた、油井昌由樹さんも来られており、黒沢芸術の一端を撮影現場の状況から説明していただいてあの名画が作り出されたのだと思って大変感激しました。台風のシーンを撮るのに実際に台風が来るのを待って撮影したらしい大変こりたかたですね。台風に向かってセリフを言うのだそうですが。雨が直接喉の方にあたるのでセリフが出てこなかったそうです。油井さんは馬が好きで随分世界のあちこちでいろんな馬を乗りこなしたそうです。時代劇の戦闘シーンで馬をどこで止めるかを一生懸命に調教して本番で敵の大将のまえで急停止すときのこつなど、黒沢監督のこりしょうとそのスタッフの苦労が目に見えるようでした。油井さんは夕日が好きのようでロスアンゼリスからサンデゴへ行くときの夕日が世界で一番素晴らしかったと、またモンゴルで見る夕日も素晴らしかったと まるで夕日の旅人みたいなロマンを語ってくれました。ジョン、フォードの西部劇を見る様な感じでした。

帰りに福島先生の書かれた“僕の命は言葉とともにある”をいただいた。先生の直筆のサインがあり感激でした。カリホルニヤーに帰る飛行機の中で我を忘れて読みふけった。視聴覚を失った人の凄まじい生き方を、もう身動きもできないで読みふけっていました。目の前にすわったスチュワデスに本を指してこの人にあったのだよと自慢してあなたも読んだ方がいいよとリコメンドしました。先生はたくさんの本を読まれている。点字で読まれるのでそのスピードは普通の人の半分のスピードのようです。だからたくさんの時間を使ってよんでいらっしゃるようです。

私が北方謙三を読んだのはあるとき新聞の広告で 楊令伝、だったか、楊家将のベストセラーの宣伝だった。楊令伝 は中国の部族間の争いそれも騎馬隊の戦いが主な内容でした。数十騎の騎馬隊が100綺もいるいる群れに突っ込んで一気に相手を乱して勝利するもので、親子、兄弟愛、そして部族愛などが織り成す大スペクトラルな物語でした。場面がすごいまるで数秒の差を見事にかわして敵をケチらせて行くのでその様子は爽快でした。なお中国の中のある場所の地形かと思われますが日本のある場所の地形の様にも思われました。描写が生き生きしていて草原の傾斜後ろの山そして崖の様子などみごとなものでした。それからずっと後になってから三国志、水滸伝を読みまたその壮大な展開に我を忘れて読みふけったものでした。北方謙三さんはすごい作家ですね。福島先生と 致知での対談も素晴らしかった。よく山に行っていたので陽伝玲のあの急斜面は確か 北八あたりにそっくりだなあといつも想いをだしていました。

福島先生は実に洋の東西を問わず色々な作家の本を読まれていた、トルストイの戦争と平和、カラマゾスの兄弟あるいはパスカルなど読みふけっておられています。そしていつも行う対談の中にこれらの本の中身が引用されておられます。

先生が幸せとは何かということにつぃて。幸せとは 自分の背中を ある時間ののちに後ろから見てそのときしあわせだったのだと言うという思想家の 吉本隆明さんの言葉にあってそれに共感されていました。人間は後ろに目がないから一度幽体離脱して自分を見るということのようです、なるほどと思いました。

福島先生は東京都立大学の出身と聞きびっくりしました。わたくしは電気工学ですが。なんだか後輩を見つけて大喜びでした。こんな素晴らしい後輩がいるなんて嬉しかったですね。そしてすごく誇りに思いました。

我々はいつも起業家とともに日夜苦労していますが。やっぱりコミニケーッションが一番大事なのですね。火星人は地球の人たちとコムニケイッションしたくてたくさんの信号を送り続けているようです。だから空飛ぶ円盤が現れたり ETが地球にきたりするのですね。先生もET が好きで、またそのうちに宇宙に行きたいとおっしゃっています。宇宙を相手に考えておられるイーロンマスクに頼んで火星探検に参加されたらどうでしょう。先生なら火星人とコムニケイッションできるのでは。

今回湯河原で中健次郎 先生の気功合宿にいつもの仲間たちと 参加しましたが。 先生は自分を無にして宇宙とつながりなさいそうすれば大きな宇宙がしかりと支えてくれてブレない自分が作られるという。それが気功のエッセンスなのだと思いました。宇宙につながっていれば微動だにしないですね。ですから先生を押せども引けどもしっかりとちについています。