シリコンバレーのエンジェル投資ブログ

月: 2012年10月

北八彷徨

我が心の山小屋 高見石、学生の頃は毎月のように高見石小屋にいったものでした。特に秋には カラマツの葉が黄色に色づくころに出かけたものです。当時は薩多さんが小屋主であった、その後小屋主が代わり現在の小屋主になったようです。アメリカにわたり数十年が過ぎ何時も思い出すのが故郷の与論島と 高見石小屋です。故郷と言うのはどうしても忘れ得ぬ存在ですね。これと言って特徴のあるところでもないのに何時もどっかで思い出されてしまうものです。与論島は小学校4年生までしかいなかったのですが。忘れ得ぬところですね。まるで自分の性格を形成してくれたようにおもわれます。小学校の校庭のガジュマル と浜辺の白い砂そして海で見る熱帯魚が心に残っている故郷です。

高見石小屋もまたかわらぬ元の景色のままでいつまでも昔を思い出させてくれる。だからただここにきてもはや知らない人たちと一夜を過ごして行くだけで満足して又明日からの生活に戻れるものです。日本に帰るたびに一度はここにきています。 それもここ数年からですね。それまでは仕事、仕事で何も見えない自分でした。 しかしここにきてこの素晴らしい山の気を少しでも感じてほしいと 若い人に声をかけてでかけています。今回は みんな忙しく児玉君だけが同行してくれました。

児玉君は子供のころ父親の仕事の関係でBoston ですごしていました。故郷の話になったら彼はBoston ガ故郷だと言う。なるほど小学4年までぐらいにいたところが故郷なのだなあとお互いに認識したものでした。高見石は渋の湯から2時間ぐらいで 登れるので気軽に来れるところです。又冬も小屋の人がトレイルをつけていてくれるので安心して冬でもこれます。冬は山を歩くのでなく山小屋にとどまって小屋の人たちや其の日に泊まりに来た連中と日ながらに話をして過ごすことが多かった。日本の自然はほんとに心をおちつかせてくれるものです。時たまお寺で座禅をしにいくのですが。この自然の中にいるだけでお寺で座禅をしているような感覚におそわれる。そして時折今やっている起業の事を静かに思い出すこともできる。だからこういう場所をもっているということはしあわせです。

このような山を歩くことによって宇宙の気が自然にわが身しみ込んでくるように思う。そんなわけでこの山は自分にとって英気をもらいに来るような場所です。北八は 南八 に比べてなだらかなやまなみです。 南のゴツゴツした急な山と違いなだらでやさしい山です。茅野から麦草峠 或いはピタゴラス ケブルカーで北横岳の麓まで行き後はなだらかな山裾を麦草に向かって行くとゆっくりした山歩きができ麦草ヒュテ、白駒荘 そして高見石などに泊まることができる。高見石から眺めると北八がゆったりとなだらに連なっていて素敵な景色です。白駒池が森の中にひそかに浮かんでいます。

高見石からのパノラマ、
児玉君がIphone 5 をもってきた、このパノラマ写真が Iphone 5 の作品です。180度カメラを回すと其の光景がすべてこのように素晴らしい パノラマ 写真にしてくれます。これが一つの売りものになっているのでしよう。 よくこのソフトの開発を頑張ったものだとおもいます。しかし電池がすぐなる、薄がたにしているので仕方がないのでしょう。 電池の開発は 次のIphone 7 位にひつようですね。いまの薄さで 倍に長持ちしたら又大ヒットになるでしょうね。 電池の開発者がんばってください。

夜の星空の観賞は素晴らしかった。
夕方 小屋の主人が手製の望遠鏡を出してくれてお月さまをみることができました。月の明かりで星が少し見えにくかったが カシオペヤ、 ペガサスの方形 アンドロメダそして白鳥がくっきりと見えた。明け方3時半ごろに起きてトイレに行った時全天素晴らしい星空が見えた。オリオンがそしてシリウス、双子が南の空に手に取れそうなところに煌々として見えた 北の方には北斗七星がすばらしかった。こんなに 沢山の輝く星を見たのは久しぶりだった。星になった神話の神々も日本の北八を眺めてそのなだらかな山並みをめでているようです。其のうれしさを一そう表し嬉しそうに輝いているのでしょう。すごく寒くてすぐに部屋にもどった。この素晴らしさを又数々の友人に味あわせたいとおもう。次回は今回こられなかった人たちとこよう。

高見石で児玉君と

帰りは久しぶりに佐久側に降りようと中山峠から稲子湯の方におりた。途中 緑いけと言うちいさな素敵な池があった、そばにシラビソ小屋がある、泊まってみたい小屋です。リスなどがたくさん来る小屋のようです。途中から カラマツが増えていくこの針葉樹は秋になると黄色に色づきそのうち葉っぱを落としていく今が黄色に色づくころでした。

落葉松林

白秋の詩がとても素敵に北八にぴったりです。


からまつの林を過ぎて、
からまつをしみじみと見き。
からまつはさびしかりけり。
たびゆくはさびしかりけり。

からまつの林を過ぎて、
ゆゑしらず歩みひそめつ。
からまつはさびしかりけり、
からまつとささやきにけり。

来年の秋は又カラマツの林を心行くまで散策したいものだ。

タイトル:なぜ私はシリコンバレーで成功できたのか (電子書籍)
著者  :平強
定価  :400円(税込)

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Dynamic Obsolescence

新しい商品が開発されて、今ある商品が陳腐化して売れなくなってしまい商品の寿命が尽きることがあります。これが Dynamic Obsolescence です。商品は同じものが長い間売れ続けることはありません。たとえば家電製品であれば市場の規模はかぎられているわけですから。毎年毎年同じ数量売れることはありません。即ち普及率が増えていけばその分だけ売り上げがおちていきます。又商品の耐用年数が長くなるとそれだけ売上がおちていきます。Color TV の普及率が90% 近くなったら買い替え需要の分だけしか売り上げが伸びないわけです。或いは自動車の普及率もしかりです。ですから国内需要が一巡すれば当然外国への輸出を考えないと国内の生産を落とさざるをえなくなってしまいます。

このDynamic Obsolescence をどのように避けて継続して生産を維持していくかと言うのが企業にとって重要なことになります。 また政府の経済政策もこのDynamic Obsolescence とどうたちむかうかということが経済の維持発展にも重要になっていきます。

政府の政策としては逆に Dynamic Obsolescence を有効に使うことによって経済活動を停滞なく継続させることができます。卑近な例ではTV の Analog 放送を Digital 放送に切り替えてDigital 放送を受信するには新しいTV セットを購入しなければいけないようになるわけです。これによってほぼ全家庭が新しいDigital TV を買わないといけないことになります。この為にTVメーカはさらに数年の生産が続けられるわけです。それが一昨年から日本で起こったことです。そして同時に薄型の液晶TVが普及してTV業界がいきのびたのです。しかし無節操にもこの時とばかりに液晶TVを大増産するのです。理由は政府の補助金が設定されたことで各社がこぞって増産したのでした。この為に今回のTV業界の苦境となったのです。

自動車業界も同じです。
8月28日にObama 大統領が2025年に販売される自動車は 54.5Mile/Gallon の燃料効率でなければいけないと法律を提案しています。 これによってアメリカでは1千2百万バレルのガソリンが節約できて各家庭のガソリン代を大幅に減らすことができると宣言しています。ですから新しい車の開発或いは Hybrid Car の生産が加速されます。或いは現在のガソリンカーの効率を上げる研究がおこなわれてガソリン車でも54.5 Miles/Gallon が実現できる可能性もあるわけです。これも政府の戦略によるDynamic Obsolescence の活用です。この為のInnovation もまた加速されることでしょう。 CO2 の削減にもなっています。 多分2025年を過ぎるとすべての車は電気自動車にしなさい。と言う法律がこの次のDynamic Obsolescence を避けるための手段として提案されるに違いない。

企業は何時もこの Dynamic Obsolescence に直面します。新しい商品を開発したら次にはされに機能のいい商品を出さないと売れなくなります。だから絶えず機能のいい商品を次ぎ次に出していかないと競争にまけてしまします。

Steve Jobs こそこのDynamic Obsolescence の信奉者だったのではないかとおもいます。
絶えず自分の商品を次々にObsolete していくこれこそまさに現代の技術進歩を先取りしてサバイバルしていく為の 真骨頂です。政府の規制を待つことなく自分で自分の商品を陳腐化していきしかも絶えず前世代の商品よりも次世代の商品の売り上げがはるかに大きくなるように努力するようにしなければいけないわけです。

そこでSteve Jobs の戦略をiPhoneの足取りからみてみましょう。
iPhone は最初に2007年6月に発売されました。其の使いやすさが おお受けして今も売りつづけています。そしてDynamic Obsolescence 第一弾 iPhone 3Gが2008年7月に発表されiPhone を凌駕する 数量がうれつづけていました。そしてiPhone 3GS ,2009年6月にこれ又大ブームとなり前者を大きく引き離します。そしてiPhone 4, 2010年6月に さらに数量をのばしています。そしてiPhone 4S, さらには今回のiPhone 5, と各々の導入を1年間隔で投入しています。どうして人々は一年置きに新しい携帯電話を買う必要があるのだろうか。

かってMicro Processor が18カ月で機能を倍倍と増やしていってPCの生産数量を毎年毎年 倍増していたのにすごく似ています。そのPC もついにiPad の登場によって生産がおちてしましました。原因はなんでしょう。 iPad の使いやすさでしょうか。ねがんでしょうか。Comscore のスライドを掲示します。

Apple のこの新製品の導入戦略こそ Dynamic Obsolescence を見事に踏襲した戦略です。それには又流石に次世代の性能或いは使い勝手をどこまで上げていくかの予測を2,3年まえに企画してそしてそれに使うところの色々な部品をある時期に生産できるように用意する必要があります。 かってIntel  が開発チームを二つ用意して現行のCPU を開発するチームと次世代のCPU を開発するチームに分けて18カ月で新製品を出していきしかも性能が2倍以上を達成したのです。 半導体の場合は Design Rule を少しづつ小さくしていけばよかったのでこの戦略が相当な時期にわたって継続していくことができたのでした。ですからIntel の牙城はなかなか崩れなかったのです。それが今回はPC でなく Smart phone  からの攻勢でPC 業界そのものが脅かされてしまいました。 これこそMarketing  の勝利でしょうか。

省みて今の日本の民生機器の凋落、あるいは 携帯電話の凋落を見るにつけて日本企業の戦略の欠点が浮き彫りにされたように思う。ガラバゴス携帯と言われた携帯電話は 性能の追求が先に進み使いやすさなどが失われて行ったところにiPhone が難攻不落と言われた日本の携帯電話業界を見事に攻略してしましまいました。思えば日本のColor TV もリモコン一つでも使いやすくしておいたらもっと寿命が延びたのではないだろうか。 しかしこのリモコンはいまだ世界的に使いにくいままです。早くこのあたりをつかい易いものにすればまだまだリモコン のマーケットだけでも十分なビジネスが展開できるのではないだろうか。インターネットTVにひとつの解があるのでは。

今回のiPhone 5 のもう一つの戦略は チャージャ などのアクセサリーが全く新しくなって古いものが使えなくなっています。 これこそまた Dynamic Obsolescence です。これこそ又あたらしい マーケットをつくりだしています。こちらの方は利幅がたくさんとれていますので、Apple の利益の上乗せに貢献します。

いずれにしてもタコのように自分で自分の足を食べるようなDynamic Obsolescence は新製品の開発によっぽどすごいアイデヤを導入し、しかもそれを数年続けていけるようにしないといけないわけです。ですからApple , Intel  はそれを実現すべく開発部隊二つ以上用意し、又技術予測を十分に検討してきたのです。

今日本の製造業界ももう一度長期の技術予測そしてCustomer Interface の十分な検討をして市場に対処して行かないといけないとおもいます。

其のうち自動車業界が TV 業界と同じような事態になるのは目にみえています。オバマ大統領が ガス効率を 54.5 Miles/Gallon  の車を作ることを立法したのも経済のけいぞく を このDynamic Obsolescence を用いて活性化しようとしています。或いはこれからは車はCo2 ゼロにしないといけないと言う法律ができると電機自動車 しか作れなくなり自動車のマーケットが又新しくなって経済が活性化されます。

Dynamic Obsolescence は政府の政策として経済の発展性を可能にします。

しかし企業としては自ら自分の新製品を 置き換えてくような開発をしていかなければ企業の生き残りはできなくなります。 ですから自分で作りだした市場を自分でうちこわしていくことです。 ソニーはオークマン を早めに殺していくべきだったのです。 シャープ はザウルスを早めに殺していけばもしかするとiPad  に行きつぃたのではないでしょうか。ここらに日本のEngineer の開発に対する取り組みを改めて行かないといけないのでは, 新製品を自分でObsolete いくことです。 日本ではちょうとした成功に必要以上に長くぶら下がってしまいます。或いは現状を変えることをいやがっています。世界の競争相手から殺される前に自分で新しい物を作り自分の商品をObsolete  していくことです。

そしてたえず新しい開発に挑戦していくEntrepreneur  が出てくることを期待したい。あたらしいことに挑戦し新しいマーケットを創造することのできるエンジニヤーそして新しい商品を市場に出して,挑戦できる経営者、或いはリーダーの出現がのぞまれます。

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