落語で禅の修行をしていた若き僧侶が 有名なお寺の僧侶と禅問答をして負かしたいと思って まずは、お寺の僧侶の影響がどれぐらい浸透しているかを調べてみようと門前町にやってきます。そこで豆腐屋を見つけ、亭主に禅問答をこころみます。店先に立ち、親指と人差し指で丸を作り亭主につきだします。 親父、考える間もなくかた手を開いてこれをつきだす。え! と若い僧侶びっくりします。 この親父わかっているなと、それではと今度は三本の指をつったてて、親父につきだす。これを見た親父、真っ赤になっておこりアカンベーをします。若き僧侶は又、又大変びっくりしてこれはかなわないやと、豆腐屋を後にしてにげだします。

それを見ていた隣の駄菓子屋の息子が豆腐屋の親父に何だかあの坊主と面白そうなことやっていたが何をしていたのだと聞いたら豆腐屋の親父は、変な坊主が来てガンモドキはいくらかと言うから5文だと5本の指を伸ばしてつきだしたらあいつ 3文に負けろときた冗談じゃないよと、人差し指で目をおおきくして アカンベーをしたのだという。
駄菓子屋の息子それも何だかおかしいと思い急いで若き坊主を追いかけて、一体おまえと豆腐屋の親父は何をしていたのかと聞く、すると若い坊主は 実は私は禅の修行をしていてここのお寺のお師匠さんは有名な坊さんなので禅問答をして負かしたいのでその前に彼の教えがどれほど町の人に行きわたっているかを確かめに来たのだが、さすがに凄い坊さんだ、坊さんの教えが豆腐屋まで行き届いている、とにかく、まず宇宙とはいかにと 指で丸を作って聞いたところ親父 それは我が“たなごころ”にありときたね。おれはもうびっくりしてそれならこの質問には答えられまいと“三千世界”とはいかにと三本の指で聞いたら何と親父我が眼中にありと言ってアカベーをしたね、これでは ここの お師匠さんにはかなわないから修行のやり直しをしてから出直そうと思ってにげてきたのだという。

あるアメリカの夕食会の集まりで日本文化について話してくれと言うのでこの落語の話をした。数名が頷いて笑ってくれたので救われた。この人達は日本に行ったことがあり或いは禅の話 仏の話を知っているのかもしれないとあんしんした。

禅の教えが庶民の生活の中に知らず知らずのうちに浸透しているのだと思わせたかった。
要は宇宙とか三千世界とか五千世界とかを庶民の中にも普段に話が出てくるのだとおもわせたかった。実際は落語のはなしなのでそんなことはないのだが。
日本文化とは まずは外国人は“武士道”とか“茶道”とか ”書道“ とかなどで代表されるとおもっている。
渡戸稲造の “武士道”は英文でアメリカで最初に出版された、ですからアメリカの知識層のたいがいが読んでいる。

第二大戦の日本軍は “武士道”で教育されそれが特攻隊とかお国の為に死ぬことと見つけたりと教育されてきたのだとマカーサーは多分思ったにちがいない。だから日本人にこの武士道精神を打ちけすような教育をしないと又戦争をするに違いない。と思ったのです。
それがGHQの戦略で戦後の道徳教育を廃止し個人の自由を大事にすることを第一番にして子供たちと学校の先生を洗脳したのです。
道徳教育を外された子どもたちは自分の権利だけを主張するような大人になっていったのです。

国を思うとか他人を大事にするとかと言う気持ちが大変なくなってきたのでしょう。
だから子供が親を殺したりする、そしてまた“いじめ”が横行し、しかも先生が又は親がこれを止められない世の中となってしまった。
国歌の斉唱の時、国歌を歌わない子がいたり先生でも歌わない人もいるし或いは国旗の掲揚に反対したり。国を思う気持ちがだいぶなくなっていると聞いて残念におもう。

ソ連とアメリカの冷戦期間の最中。 ある夏日本に帰ってからシリコンバレイに帰ってきたら、Fairchild の同僚のアメリカ人が 顔色を変えて大変だと言うどうしたのだと言ったら今ソ連はSilicon Valley を爆撃する準備をしているという。シリコンバレイを破壊すれば将来のアメリカ経済の何パーセントを破壊することができ又イノベイッションの中心だから今のうちに叩いておこうということらしい。
そして彼は いよいよ おれも銃をもって国を守らなければいけない,招聘が来たらすぐ駆け付けるのだという。 すごい愛国心です。大半の若もが皆そうおもっているようです。
アメリカはその後ベトナムに、イラクに、そしてまたアフガニスタンに 多くの若い人達をおくりこんでいます。彼等は 大統領の命令を絶対服従して出兵していく。
彼等のよりどころは 聖書とアメリカ憲法、なのかもしれません。大統領は命令を拒否できないものとして理解しているようです。大統領の命令は絶対のようです。
かってFederal Reserve の議長だったGreen Span がNixon 大統領の時に大統領に呼ばれて政府の要職につけと言われたらどうしようと非常に心配していた、もし言われたら絶対拒否できないとおもっている。Green Span はNixon が大嫌いだと彼のThe Age of Turbulence の回想録に書いている。アメリカの大統領の命令は絶対なのです。

日本は戦争に敗れGHQの教育に骨抜きにされて国を愛する気持ちをそがれ、国歌を歌うのも厭われていることは何とも残念です。 これから教育の見直しをして道徳教育そして正しい日本の歴史をしかりと教えかっての大和魂をもった若き青年を育てないと日本の将来があぶないとおもう。

日本は神仏集合の多神教です。そしてすべてに仏がやどっています。
新渡戸稲造の武士道 はキリスト教に関して随分と詳しく書かれています。 すごい見識です。だからアメリカ人も偏見なくこの本を読んだのだとおもう。
そして日本の仏教,神道などにふれて双方の考え方を詳しくのべている。

日本文化とはたぶん、仏教、の世界、さらに神道の世界そして木々に草花に神が宿っているという考え、そういう諸々の事が文化になっているということだとおもう。

日本人に受継がれた徳の精神は日本食によってもたらされたのだと言う。フォード大統領のころマクガバン上院議員が委員会を作りアメリカの食生活について検討した レポートが発表されそれによると 理想的な食事とは 日本の元禄以前の日本食だと言う(致知9月号)
そしてそれによって健全な精神が宿り徳を身につけることができるのだと推論しています。
日本は山国であり、山には森があり其の森の中を流れてくる水がたくさんの栄養素をもってくるのでそれが海に流れ豊な海産物をうみだしているのだという。
かって宮城の海産物が取れなくなった時これは森の木が少なくなったからだと宮城の人たちが植林をしてそのおかげで今日の豊かな海産物がとれるのだと言う記事を読んだことがある。又今回の3.11 の津波のあと有難いことに宮城の牡蠣がよみがえってきたという。
自然の再生のちからですね。自然はたいしたものですね。これからも山や木を大事にしないけない。特にCO2 を本格的に減らさないといけないですね。
先だって3泊4日の座禅の合宿に行った。朝夕の精進料理を大変おいしくいただきました。そして2日目には何だか自分の体がすっきりしたような感覚になりました。食の影響ですね。
日本はそういう意味では大変健康的な食がたくさんあり有難いとおもいます。
日本のすばらしい自然が今回の災害にあっても 秩序ただしく、生きていく東北の人たちみんなが持っている利他の精神。この人たちを見て世界が 賞賛したことでも、日本文化日本の食がこの人たちを徳のある行動にむすびつけているのです。
日本人が長らく自然からそして神仏から受けてきた教えのたまものです。
 これからは教育を、見直して道徳そして人を大事にし国家を大事にする次代の若者を育てる必要があります。今がチャンスです。
今でも時時山に登ります。山の木々がそして草花が、空気がすばらしいです。山小屋の夕餉が又いいですね。日本の食の元があります。
この山の空気日本の自然こそが日本文化を支えているのだといつも感謝しています。