ワイキキのホテルで雀の餌ずけを試みました。毎日ベランダのテーブルに餌をまき雀が遊びに来るのをじっと待っていました。来た来たやっと3日目から近付いてきたそっと座って餌を食べるのを身動きをせず眺めていました。
比較的人見知りしないのでこのまま数日続けるとそのうち手のひらから餌を食べてくれるのではないかと期待して毎日少しづつ慣らしていきました。

 

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来た来たついに沢山来てくれました。
 

日本の雀に比べて少し野性味がないようだ。 食べ物が十分にあるのであまり食べ物を探す努力が少なくなっているのではそのために飛びあるいて虫を探さなくてもいいので野性味が少なくなってしまっているのでは。人間のフリーターみたいになってしまったのでは。
雀はもっと野生的で羽につやがあってほしいものです。

 

与論島にいた子供のころ沢山の雀が庭で餌を食べていました。何とかあの雀を捕まえたいなあーと思い毎晩暗くなってから軒先の藁ぶきのどこに行って寝るのかなあーと毎晩見張っていました。しかし軒下の茅葺の中には行かないようで、どうも他のところで寝ているらしい。たまに一匹が軒下の萱の中に入って行ったもののこちらが下から眺めていると遂には危険を感じたらしく逃げて行ってしまいました。
雀の一匹捕まえたところで焼き鳥にしては少なすぎるしまた籠に入れて飼ってもたぶん暴れすぎて死んでしまうかもしれない。何せ可愛いものを自分で独り占めしたいと言う欲望のためにいろいろと思いを巡らせていたのかも知れない。

 

小鳥は小鳥の野生の世界に伸び伸びと生きてこそ幸せなのだと思うが。やっぱり大空を飛びあるき本来の食べ物である虫を食べてこそ活き活きとしていけるのではないかと思う。
そしてこそ羽の艶も良くなるし寒さに耐える羽にもなるのではないか。

 

何とかあのかわいい雀をものにしたいと笊で罠を仕掛けて雀捕りを試みました。
笊を絵のように使え棒で支えて中のほうにお米のえさをまきこのつっかえ棒に紐を結び雀の見えないところまでひっぱって行き雀が餌をとりに笊のなかほどに入ったころを見計らってエイヤー と紐を引っ張るのです。

 

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罠ありと脇へ知らせよひや雀。
                        一茶

 

長いあいだじっと待つこと1一時間以上いよいよ数匹の雀が笊 の中まで餌をとりに入ったこの時とばかり紐を思いきり引っ張ったしかし相手は野生の雀です素早く逃げて行ってしまいました。また仕掛け直して次の雀が来るのを待ちましたが。
待てど暮らせど第2団はついに現れませんでした。先に逃げた雀がみんなに言いふらしてしまったようです。
そんなわけで子供のころのこの目論見は一度も成功せずじまいでした。

 

そこで今度はハワイでは雀が手のひらから餌をとるまで慣れさせておいてついに エイ!ヤ! と捕まえることができると子供のころの夢が実現できるとウキウキしていました。
しかしもう明日はカリホルニヤーに帰らなければいけない。このプロジェクトは来年まで持ち越しですね。

 

 

 

一茶はどんな気持ちで雀たちと遊んでいたのでしょう。わたくしみたいに焼き鳥の対象にはしなかったに違いない。

 

 

子供たちと同じらいの扱いをしていたようです。

 

 

一茶にはたくさんの雀に関する俳句が残っています。たぶんいつもわが友達ぐらいの思って遊んでいたのではないでしょうか。2,3その句を見てみると。

 

 

  我と来て遊ぶや親のない雀。

 

  親雀い子を返せとや猫を追う。

 

  雀子に膝の飯つぶつませけり。

 

 

一茶はすでに雀が膝まで遊びに来ているのですね。

私もこの次は手のひらの飯粒をすませけり。と行きたいところです。 

 

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(カリホルニヤーの我が家の裏庭の雀、ハワイイのよりは野生的だ)

 

カリホルニヤーに帰ってきて我が家の雀を見るハワイのよりも自然にいるようだ。
来年はわが手のひらから餌を食べるように訓練してみたい。しかしカリホルニヤーの雀にわが手から餌をやるのは至難の業に見える。いったい一茶はどのような心で雀たちと仲良くなったのだろう。少なくとも一茶の精神に近づかなければ、これから毎日庭先に出て手のひらの上に餌をもって数時間じっとしているとそのうちわが手から餌を食べてくれるだろうか。
もう少し暖かくなってから試してみるのも面白いと思う。
成功したらまた報告します。

 

 

  雀の子そこのけそこのけお馬がとうる。

 

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( カリホルニヤーの雀たち。)